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東大生が行く世界一周おっぱい人の旅
世界一周の旅人になった僕。僕には物欲は無い!!と言い張っていたが、歯ブラシが無いとき、歯ブラシが欲しい!!という感情は果たして物欲というものなのか。未知との遭遇に戸惑い、泣き、笑い、そしてオナニー


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気円斬ひとくん

Author:気円斬ひとくん
僕にとって人生はゲームだ。
長い長い「ときめきメモリアル」だ。
僕は、このゲームに正面からぶつかって、とことん楽しみたいと思う。



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インド  バラナシより  ポールは害虫です。





僕は何故かムキになって、
話しかけてくる奴の言われるがままに流され最後にそいつが手のひらを返してくると激しく口論をする、
ということを繰り返していた。
今思えば、僕はまだ信じたかったのだと思う。
その中に、一人でも僕を金としてじゃなく、人として見てくれる人を見つけたかったのだと思う。
その時の僕には、そんな自覚はなかった。
ただやみくもにインド人に飛び込んでいた。

夜7時、ガンジス河のガートでプジャー(礼拝)が行われていた。
男が数人川に向かって並び、大きな火を体の周りに回転させながら祈りを捧げていた。
たくさんの民衆がその後ろに座り、鐘を鳴らしたり手を合わせたりしながらともに祈っていた。
それは、幻想的な光景だった。
最後まで見届けて帰ろうとすると頭に籠をのせた少女が僕に近づいてきた。
「NO MONEY NO MONEY」
そう言って籠のなかの花を僕に渡そうとする。
それからの成り行きは想像できたが、僕は意地悪な気持ちになってその花を手にした。
少女が花に火をつけた。
これを家族の名前を言いながらガンジス河に流せば、僕の家族は幸せになれるらしい。
僕は言われるままにした。
河のうえに小さな光が漂っていくのは綺麗だった。
みると河にはいくつもの光が灯りゆらゆらと穏やかに揺れていた。

「お金ちょうだい。
じゃないとお母さんが怒るの。
お金ちょうだい。」

「NO MONEY っていっただろ?
お金は払わないよ。」

「じゃないと幸せになれないよ。」

「ああそうかい。
だったら俺は不幸せさ。
幸せがそんなに簡単に買えるかよ。」

僕は少女を置き去りにして立ち去ろうとした。
しかし少女はついてきた。

「お金ちょうだい。」

「あげないよ。NO MONEY って言っただろ?」

「お金ちょうだい」

「あげないよ。」

少女はどこまでもついてきた。

「お金ちょうだい。」

僕は殺意すらこもったかのような形相で振り返り、少女に対して言い放った。

「お前には絶対!!金は払わない!!」

少女は立ちすくんだ。
そしておびえた目をして僕を見つめ、言葉をこぼした。

「I am sorry 」

その言葉は強烈に僕の頭をぶったたいた。
音が消えて、視界がせまくなった。
熱いものが胸から昇ってきた。

「I am sorry 」

僕は何をしたんだ。
僕は何をしたんだ。
なんで、この子はこんなこと言わなきゃならないんだ。
「I am sorry 」なもんか、
僕にそんな言葉を受け取る資格はない。

この子には、何もないのだ。
選択肢が。
こうするしかないのだ。
こうやって生きていくしかないのだ。
それを誰が責められるだろう。
それを誰が咎められるのだ。
僕は、その少女の、何も頼るものもすがるものもない少女の、押し拉がれた小さな心をなぶり、踏み潰したのだ。
その子の心は、もうこれ以上ないほどに痛めつけられているだろう。
これ以上下がないほどに苛め抜かれているだろう。
そんな少女の心を、僕はさらに上から踏み潰したのだ。

僕は何をやっているのだ。
何をやっているのだ。

悪趣味な、下劣な、、、、最低だ。

僕はその場から逃げた。

どうすればいいのだ。
僕はどうすればいいのだ。

わかっていたのだ。はじめから。
原因はもっと大きなもので、どうしようもないものだということくらい。
あの子は無力だ。あわれなほどに無力だ。
だけど、僕も、その大きなものの前では変わらずに無力なのだ。
今の僕には何もすることはできない。
僕には何の力もない。


そして、僕には彼らのために何かをしようという意思もない。

しかし、僕はなぜあんなことをしていたのだろう。
あまりにも悪趣味なことだ。
僕は、僕も、僕だって、、変わりはしない。
ただの害虫じゃないか。
そこで黙っている無害な石以下だ。

僕にできることは、打ち捨てられたゴミのようにあの子を、彼らを見て見ぬふりすることだけだ。

何もできないなら、何もするつもりがないなら、せめて害にならないようにしよう。

それが僕のできるすべてだ。

それが僕だ。




この記事に対するコメント

こんにちは、はじめまして。
バラナシで辿ってきました、読ませる日記ですね^^
TB送信しくじっちゃいました、削除しといてくださいませ。
またよらせてもらいますね♪

ではいい旅を!

【2007/05/03 20:36】 URL | かーや #EBUSheBA [ 編集]


>かーや
はじめまして☆
かーやさんもバラナシに行かれたんですか?
コメントありがとうございます(^^)/

【2007/05/04 01:32】 URL | ひとくん #- [ 編集]


やっほ。
そんな自分を責めちゃいかんょ〜(;ω;)

前にね、ちょっと解決策を見出したんだ、こーゆーときの。

訳分からずぉ金を要求されたときは基本、ぉ金は渡さない。理由は、いろいろあるんだけど、

自分だって経済的に自立した人間じゃないし、
日本より経済的に恵まれない国で、人に直接「ぉ金をあげる」って行為に、いやらしさとか無責任感を感じちゃう。(かんちょ的に。)

んだから、ぉ金って形じゃなくって、なにか持ち合わせた食べ物をシェアするor一緒に買いに行くのね、えりかは。(時と場合によるけど。)

ぉ金を渡したって、その使い道は不透明。
子供ならわかんないけど、大人の場合は、
ぉ酒やタバコ、ドラッグに消えていくことも少なくないょね↓子供が大人に利用されてることも多いだろうし。

だから、直接目に見える形で。

って、主に自分の気持ちを宥めるというか、
罪悪感を感じないようにする、
自己防衛的な手段にすぎないかもだけど。

そんな自分を責めないで(;ω;)!!!
ひときくんは害虫なんかじゃないょ〜

【2007/05/04 06:45】 URL | えりかんちょぅ #- [ 編集]


>かんちょう
いつまでも子供がついてきたりするのを、強引に無視してずっと歩き続けるのとかさすがにつらいよね。
そういう時どうすればいいのだろう。
お金をあげるのは悪なのな?
何か食べ物をあげるのは悪じゃないのかな?

こういう時、流浪人剣心だったら、
「自分の目に映る人たちをこの逆歯刀で助けることができればいいでござるよ。」
とか言うんだろうケド。
目に映る人があまりにも多すぎるとき、彼ならどうしたんだろう。

罪悪感というものは僕には無いけど、
少し寂しくなるね。

【2007/05/05 02:43】 URL | ひとくん #- [ 編集]


ね、心が痛むんだよね(;ω;)わかる。
でもね、きっと、目の前に映る「全て」の人を、
自分ひとりで背負おうとしなくっていいんだと思う。

ひときくんが書いたみたいに、こういうことの原因はもっと大きなもので、自分にはどうしようもできないことに感じる。

だからこそ、自分なりのポリシー?を持って対応したらいいんだと思った、かんちょは。そのまま振り返らず立ち去るのもありだし、お金を渡すのもありだし、それはその人次第。

心の痛みはなくならないけど、でも、それがその場の自分にできること(何もしないことも含めて)だって自分でラインを決めなきゃ、感情ってモノは厄介でキリがないんだ、かんちょの場合は。(も。)

ぁ、毎回腐った納豆みたいなこと書いてごめんちょ( ・ิω・ิ;

【2007/05/08 04:04】 URL | えりかんちょぅ #- [ 編集]


>浣腸
毎回、真剣にコメントしてくれてありがんちょう。
話し合える人がいてうれしいょ。
ラインをつくるっていうのは僕もいつもやってることなんだけど、でも、僕にとってはラインを固定するっていうことがとても難しいょ。
いつもぐらぐら揺れ動いちゃう。
まぁ、地球だって傾いてるんだから、僕も少しぐらいぶれたっていいか。

【2007/05/11 22:55】 URL | ひとくん #- [ 編集]



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インド  バラナシより  ポールは害虫です。

僕は何故かムキになって、話しかけてくる奴の言われるがままに流され最後にそいつが手のひらを返してくると激しく口論をする、ということを繰り返していた。今思えば、僕はまだ信じたかったのだと思う。その中に、一人
天竺エクスタシー 【2007/05/03 20:29】